第3段階 12歳〜18歳
この段階の子は「思春期=社会的新生児」と言われてるくらい、それまでの活動的で自信に満ち溢れていた子ども達が打って変わって、迷える子羊のようになったり、ガバっと噛みつかれそうな狼になったりと、親離れに足掻いて精神的にも不安定な時期に入ります。
この時期は、子どもの身体から大人の身体に変化する大切な時期でもあります。その身体的成長にとても労力を使うので、朝起きれなかったり、常に眠かったりします。やる気がなくなったのでなく、身体が追いつかないという表現の方が合っているかもしれませんね。
成長ホルモンによりホルモンバランスが崩れて自分では意識していないのにイライラしたり、疲れていたり、眠かったりします。本人達もなぜイラッとするのかがわからないのです。
この成長段階においては、特に前段階の12~16までの日本では中2病と言われている時期は、とにかく身体を休め、大人になる準備のためにゆっくりと過ごすことが必要だとモンテッソーリ博士は考えました。
子ども達は、「生きる」とは何かという答えに辿り着くために、その悶々とした時間を考えることに使い自分自身に問いかけることが必要なのではないでしょうか。
自分の頭の中を整理する時間、大人に変容する時間、自分が何者であるか。。。などなど、考えることは沢山あるんです。
また、他の人の目が気になったりもし始めてるこの時期、急に自己主張を表現したくなります。私の恩師の娘さんは頭の半分を丸刈りにしたそうです。何を隠そう我が娘も髪の毛を染めたい!と、言ってきました。私が、モンテッソーリを知らなかったら、絶対に反対したような色に染めたがったので、私は心の奥密かに「来たきた!思春期〜〜!!」とほくそ笑んでいたのを思い出しました。笑。 結局、ケアが思ったより大変なことがわかり、その後は元に戻していましたよ。
日々悶々とする気持ちと向き合うには、何かを育てたり、動物や植物を関わって生命について考え、生きることの根本を体で学ぶ時期でもあります。モンテッソーリが理想とする中学や高校では農業を取り入れています。いわゆるファームスクールです。娘が通っているアメリカのオハイオ州にあるハーシーモンテッソーリスクールはそのファームスクールを取り入れて作った代表的な中学、高校でもあります。
野菜を育て、その過程を知り、順調に育つためには水や日光やミネラル豊富な土壌が必要だということを知識だけではなく、実体験で知り、そのためには何をしたら良いのかまでを学ぶことで生きることの意味を見出していきます。地球への感謝もこの頃に芽生え始めると言われています。
動物の世話をし、希薄になっている人間と動物との関係性も学びます。
地球は1つ、世界は1つ、宇宙は1つ。
それぞれの段階を経て、ここにきてその概念の点と点が繋がるようになってるのがすごい!
生きていることの大切さを身を持って学ぶことで生きることの喜びへと繋がっていきます。
それが、世界平和に向かって世界に貢献したいと思う人間に成長していきます。
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